トッタベツ川九の沢〜十の沢(03年度沢例会A)

2003年8月1〜3日

L田中規雄 金澤弘明 大原成雄

 

霧の十勝平野を走り、戸蔦別林道の土砂崩れ地点から少し戻り、カタルップ橋近くに24時C0

 

8月2日

 林道を少し歩き八の沢からは踏跡となる。
この夏は冷夏ながら雨が降らず、そのせいか九の沢の水量は思った以上に少なく、ショボい出合だ。
入渓して間もなく長いナメ床が現れるが、出水で洗われる事のなかった沢はヌルミが多く非常に滑りやすい。
やや傾斜の強いナメ滝状では慎重にいかなければ滑り落ちてしまいそうだ。

 これといって大きな滝も無くナメを進むと右屈曲部。
二段滝のゴルジュとなっておりいやな雪渓が詰まっている。
右岸の枯れ滝を登り、途中から草付きのやや悪いトラバースをして落ち口に出る。

1090
m二股は右股の滝がやや水量が多いようだが、三段20mほどの滝になった左股に進む。
沢はぐっと小さくなり、狭いルンゼ状の小滝をブリッジングで越えていくようになる。
詰めはブッシュがややきついが、距離は短い。
ピパイロ岳東のコル、C
1710mの稜線に出る。
残念ながら期待していたほどの沢ではなかった。

 ピパイロの頂稜からピパイロ川を見下ろすと、たいした沢にも見えないし、雪渓も多く天気も下り坂。
ピークに着くと視界はあるのに雨は本降りとなってきた。
ピパイロ川上流部への継続は取りやめにし、P
1967との最低鞍部に下ることにする。
千葉Pとは無線連絡がとれず、この雨では少し心配だ。


 

カタルップ橋発0650−九ノ沢出合い08501090m二股1150−稜線1230
1300ピパイロ岳13201793mコル1415

 

8月3日

 昨夜は雨が強く、本流の増水が心配だ。
十の沢はテン場のコルから直接降れるはずなのだが、視界も無いので、ピパイロの稜線の途中で見た沢形を下ることにする。


 ピパイロの肩へ向け少し登り返し、斜面の手前C
1850mから沢に向かいブッシュを漕ぐ。
1700m付近のブッシュは濃いが、1600m付近からしっかりした沢形となり、
間もなく
37mほどの滝が続けて現れるようになる。
いずれもクライムダウンするが微妙に難しいものが多い。
1350m付近、12mほどの滝で金澤が56mの滑落をしてしまった。
大事には至らなかったが尻をしたたか打つ。

 1310m二股の左股が通常登られている沢筋だと思われる。
この下には花崗岩の沢床を流れ落ちる美しい連続したスラブ状滑滝があり、
さらに幾つか微妙なクライムダウンで下ると、
1100m、10m滝で最初で最後の懸垂をし、事実上十の沢の下降を終える。
心配された増水もたいしたものではなく、何回かの渡渉を経て八の沢の林道跡に出た。
千葉Pは二岐沢上流部から国境にエスケープし、北戸蔦別から一般道を下山したらしい。


 

205301310m二股0730−本流出合0950−カタルップ橋1125

参考グレード トッタベツ九の沢 2級 / 十の沢(下降) 2級上

 

 (金澤弘明)