沢例会 
 ペテカリ西沢(遡行図)

メンバー:L金澤 M谷

期間:8月4〜6日

 

8月4日

 朝4時、とても眠い中出発する。
 今回の山行は不安だらけだ。
 去年沢でスリリングな体験をしたことが拍車をかける。
 大丈夫かな、俺。

 荻伏駅で金澤さんと合流し、神威山荘へ向かう。
 ペテカリ山荘へはここから尾根を乗越して行くが、
詰めで軽い藪漕ぎをし、3時間で山荘到着。
 金澤さんは足が速くて着いていくのがやっとだ。
 そこから更にサッシビチャリ川目指して歩くと、ちょうど合流地点に車と釣り人が。
 通行止めの静内側から人脈を使って来たそうでなんとも羨ましかった。

 左岸の林道らしきものを少し進み入渓する。
 それからまもなく函が現れる。
 綺麗だなあと見惚れるのも一瞬、水にどっぷり浸かることを思うと悲しくなる。
 金澤さんが先に行ってくれ、後に続いて泳ぎ泳いで函を突破。
 ガタガタ震える体を無視して進むと次の函がでてくる。
 またまた泳ぎまくってきわどいバランスで壁に這い上がってロープ出して飛び込んで、
ようやく今日の辛い場所が終わった。
 スケールでかくてめちゃくちゃ楽しい。
 札幌の近くにもこんなのないかな。

 西沢合流点で水面から2メートルくらいの高さの砂場にテントを張る。
 早くに着いたのでさっそく竿を出し、なぜか釣れたカワカジカを焼いて食べ、
本番の明日への緊張と共に就寝した。

 


8月5日

 西沢に入るとすぐ函に覆われる。
 初っ端からいやらしい高巻きを何度かやり、605m二股まで滝の直登は不可能、
早くも雪渓も現れだし懸垂一回で到着。
 情報どおり高巻きを駆使する沢だが、なぜか明瞭な踏み跡が残っている。

 二股から雪渓を越え3mの滝でショルダーで上げてもらい、始めてハーケンを打つ。
 やたらと時間をかけてしまったが、自分で利かせた支点に体重を乗せる。
 何気に憧れだった支点作り、これで僕もインチキ岩屋だ。

 740m二股から沢も快調に進めるようになり、大滝が現れる。
 雪渓をくぐり思いのほか気持ちよく左岸を登る。
 その後何本か滝を越えたところで急に沢が広がり、
核心部を抜けたのかと思うと気も抜けそうになる。
 この沢で距離を稼げた場所はここだけだ。

1010m二股を過ぎるとまた両岸が迫りだし、
地図上のもうひとつの滝らしきものが出てくるがサクッと登れてしまい、
また気が抜けそうになる。
 その後は快適
(たまに不快適)な滝の直登の連続になる。
 下から見ても小さな滝が何段も重なり、まるでこの沢のクライマックスだ。
 高度もぐんぐん上がるが、あまりに滝滝滝なためやたらと消耗する。
 少し大きな滝も現れ気持ちよく登れるが、落ちるときっと痛い。
 疲れで頭をふやかして良い場所ではないようだ。

沢が小さくなり始めると次第に滝は終わりガレ沢となり、
40分ほど藪を漕いでピークに着いた。
 景色はなかったががっちり握手し喜びをかみ締めた。

下山途中ビバークしていた人に合う。
 熱中症で動けなくなっていたらしい。
 2Lの水筒が空になったという話なので、山を舐めているような人ではない。
 自分も気をつけよう。

 丁度その頃から調子が上がりだし、
大休止をとる金澤さんと別れて進んでいるといつの間にか走り出していて、
下の沢沿いに着いた頃にはありえない量の汗をかいていた。
 先ほどの人に水をあげたこともあって沢水をがぶ飲みし、
山荘に着いてからは一気に1L以上飲む。
 すると今度は具合が悪くなりだしぐったりと横になる。
 結局金澤さんたちが下山してきてもまともに動けず、
めしを少し腹に押し込んだが、
2時間ほど吐き気と戦ったのち便器と顔を合わせることになった。

 

8月6日

 昨夜から奇跡的復活をとげ、沢山の人を見送ったあと下山。
 ペテカリ山荘からの尾根の乗越しは少し迷いやすく注意したい。

 

 

 今回の沢ではルート取りから登りのアドバイスまで全て金澤さんに頼りきりであった。
 高巻きの鮮やかなルート取りは非常に勉強になるものだった。
 ここが困難な沢であるにもかかわらず苦戦した気がしないのは金澤さんと行ったからだ。
 自分の実力じゃない。
 今回はとても勉強になり面白い山行だった。
 いつかは自分の力で行こうと思う。

 

 

ペテガリ西沢行動概要

 

 神威山荘発0810−枝沢間違えべッピリガイ沢乗越しコル09:35
−作業道
09501050ペテガリ山荘11101145サッシビチャリ川出合

 第1の函(C380サッシビチャリのサの字付近長さ約100m)泳ぎ→胸→4mを左岸から越える。
 第2の函(C
410m付近長さ60m位)谷飛び込み→胸→右岸泳いで水中から2m岩登り。
 14
35西沢出合着。

 

 0540発左岸へつり→10m釜から左岸巻→2m→函(右岸高巻、中に釜持ち7m)
→雪渓の奥に
15m釜持ち、雪渓手前から右岸高巻→雪渓(左岸から右岸へ)
→瀞の先に雪渓(手前から右岸巻)→
2m、2mのあと河原→函の中にブロック状雪塊、
左に折れ
15m釜持ち(戻って右岸高巻、15m懸垂)→小函のあとC6000810
→瀞を泳ぐ→崩壊した雪渓ブロック→
2m(左岸をショルダーで抜ける)→C650→雪渓2つ
5×10滑+2215m(滑の上から右岸巻)→滑→右岸から7m釜持ちと4mを巻く
→雪渓の残骸
2ヶ所→4m左岸から上がりトラバース→C785
454の2段大滝(地図上第1の滝)は右のルンゼよりかわす
20mを右岸より越す→雪渓の下を走り5×8m滑滝→C830930までブタ沢
1200910m二股→3段滝(地図上第2の滝2543m、左岸から直登)
→C
1350付近まで小滝群(落差10m以上が45個で多くは24m)
→最終水場C
1480付近→C1570までガレ小沢状→藪漕ぎ40分→1530頂上


 15
55下山開始−16401210mコル−1815頃?C1293mで谷先行下山
1930頃?谷が山荘着(金澤は上で15分寝て下山開始し2100山荘着)

 

 ペテガリ山荘発0825−作業道で迷い終点10201150神威山荘下山