GW例会

【ル−ト】利尻山 東北稜

【日程】2006年5月2日晩〜5日

【メンバー】 L:中川  M:小野m、栗山

52日 雨

19:30札幌発 1:00稚内港着

 

5月3日 晴れ→夜間強風>

 6:30稚内発フェリー  
 8:10鴛泊着 タクシーに乗る  
 8:50アフトロマナイ林道入口


 ・GWこの林道に入るのが、3年連続となるが今年が1番、
  残雪多く林道はほとんどタクシー入れず。
  2日前くらいに降雪があったようで、堅い層の上にきれいな雪が10cmほど積もっている。
  埋まる重雪であったが、足跡が残っていたので快適に進む。


 10:50尾根取り付き
 13:30高度1003


 ・札幌山岳会パーテイはここに幕営するようだ。
  聞くと、このコースピストンするらしい。
  私達はもうちょいと先の三本槍を目指すこととする。
  ・・・昨年は、ここで敗退。
  雲の中で全く先が見えなく、とても不安に感じた周りの様子は、まるで違う場所にようだった。
  今回は、拍子抜けするほどあっさり一つ目の岩峰右側を巻く。
  途中は細いリッジ部分で1箇所ロープを出す。

 15:30三本槍

 
 ・想像より広い・・・
  雪も掘れたので平に快適なテン場を作る。
  振り返ると、中央労山の3人Pが1003mちょっと過ぎた所に幕営準備しているのが見えた。

  田中Pとは、メールで連絡が取れた。
  日が暮れた頃から風が強くなり、深夜には強風に変わった。
  ラジオでは、小さな気圧の谷が道北を通過することを告げている。
  トイレに出たら飛ばされそうだった。
  風でぐにゃんとテントが歪むたびに、テント本体のシートが顔にぴったりくっついて苦し〜い。
  後で聞くと、栗さんはポールに顔を圧迫されていたらしい。
  そう言えば今回初めて使った「アライテントのエアライズ3人用」ポールは、
  スカンジウムという金色のポール。
  結構な風だったが、かなり曲がりに強いように感じた。


 

5月4日 雲海→夕方から雨&強風>
 3:00起床  4:50出発  6:05門到着

 
 ・門手前で、札幌山岳会待ちをする。
  門は、ロ
ープを出し、泥と草つきの1ピッチ。
  1箇所悪
いが、あとは細い木を強引に掴んでグイグイ登る。
  
  使わなかったが古〜いフィックスロープ垂
れてる。
  これは、石本・岩波・金山パーテイが
登った記録にあったフィックスか?
  もう何年前

  
  出口は雪屁でちょっと気持ち悪い。

 

 



 7:20ロウソク岩
 
 7:45懸垂開始


 ・ラッキーなことに、
  ピストンする札幌山岳会が残置していた懸垂ロープそのままお借りして楽々の懸垂。
  「ここが、核心」と思っていたので、まさに拍子抜けであるが、
  まあ、そこはありがたく使わせてもらう。
  
  (頂上に向かって右側に降りる。
   支点は、ハイ松を掘り出して作る。
   雪が柔いので、掘り易い。
   懸垂の位置としては、少し手前のようだったが、
   あまり進むと雪屁を踏み抜きそうなので、
   降りれるところで降りてしまうのがベストでしょう。
   降りたところはハングの下、
   テラスになっていて頑張ればテントが張れそう。)

   あとは、広い斜面をひたすら頂上に向かって歩く。


 9:00北峰ピーク


 ・雲海のピーク到着。
  祠は屋根がちょこっと出てる
だけ。雪多いなあ・・・



 9:30中央ルンゼ下降
 2:00本峰リッジ取り付き?

 
 ・新雪もあるので氷化した層の上に、20cmくら
いの不安定な層。
  そして気温かなり高く、急斜面下
降が雪崩の不安。

  すべてロープを出して下り、時間
かかってしまう。
  そして取り付きが曖昧だが、「と
にかく取り付くか」と、ビレーアンカー作る。
  しか
し壁から滝のように水が流れていて3人とも用意してる間にびしょ濡れ・・・
  袖からも水がダッ〜と入
る始末。
  なんとなく、「ホントにここ登るの〜」と
いう雰囲気が漂い、
  メンバー達の「リーダーどうす
るのよ」と心の声が聞こえ・・・中止した次第。


 13:45ルンゼ登り返し、再び北峰へ 
 4:30下山開始


 ・ムツオ師匠「尻滑り技」を伝授してもらい、楽し
い尻滑り。



 17:00キャンプ場着

 
 ・迎えに来てもらったタクシー運ちゃんに、
  バンガローを紹介され、豪華に温泉前のバンガローに泊まってしまった。
  (1棟5500円使用料一人500円→一人2,000円)
  たまには、「大人の遊び」もいいでしょう。

  雨が降ってきた。
  風も強い。
  田中Pが、もしかしたら降りてくるかもと、ムツオさんは、箸を人数分用意して待っていた。


 18:00定時交信

 
 ・田中Pより電話が入る。
 「長官小屋に着いた。
  疲労してる。
  今日はここで泊まる。」
  
  よかった。
  稜線でビバークだったら天気かなりやばいだろうと、心配していた。
  ホントによかった。

  安心して宴会・・・



5月5日>

 
 ・田中Pも無事下山し、朝一番のフェリーで稚内へ


反省


・ロープを出すと途端に時間がどんどん過ぎていく、
 もっともっとロープワークに慣れ、
 パーテイで「あうん」の呼吸で操作出来る、繰り返しが必要であると感じた。


・軽量化は、いつも課題だがGWの利尻なら防寒のものをもう少し削れるのかな。
 食料は3人の適量がイマイチ把握できず多すぎた。


・春の手袋、もっと工夫が必要。
 びしょびしょでした。


・「本峰リッジ」敗退は、モチベーションにも問題があった。
 ついでに登ろうなんてルートは最初から登る気がないのと同じなのかもしれない。
 皆でもっと練るべきだった。



感想

・以前、小田さんから利尻の話を聞き、
 漠然と行ってみたいな・・・と思い始めて、
 あっという間に実現できたのは、とても運が良かったと思います。

 連休前、仕事が急に忙しくなり、思うようにプレ山行に参加できなくなり、
利尻はちょっと難しいかな・・と思いましたが、
なんとか強引に仕事を終わらせて、最低限のプレ山行経験での参加となりました。

 印象に残った事は、幅30センチほどのナイフリッジの上を歩くのが怖かったこと。
 夜、強風でテントポールに挟まれながら寝たこと。
 本峰リッジの取り付き(違っていたようだが・・)で滝のように雪解け水が流れる中、
びしょ濡れでセルフを取ったこと。
 そしてなんと言っても下山時の尻滑り!!

 プレ山行で上天東尾根を登り、頂上でテント泊した経験が、最大限生かされ、
なんとか付いて行く事ができたと思います。
 完璧なプレ山行の設定だったと感じました。

 最高の天気に恵まれ、とても良い経験ができたと思います。
経験の少ない私を連れていってくれた中川さんと小野Mさんには大変感謝しています。(栗山)

 


・二月某日愛ちゃんからGW例会で利尻山に行きませんかとメールが来た。
 リーダーまでしてくれるという。
 ルート案は、東北稜か長浜ダイレクトを考えているとのこと。

 俺自身はしばらくアイゼン付けての登攀はやってないが、
 三月〜四月と訓練すれば大丈夫だろうということで参加することにした。
 どうせ行くなら思い出深い東北稜でしょう。

 栗山さんも参加することとなり、上ホロや定天で訓練をおこなうことにした。
 しかし、俺のギックリ腰や栗山さんも仕事でなかなか予定通りの訓練はこなせなかった。
 でも最終仕上げの訓練である定天の東尾根から中央稜クーロアール登攀で
確かな手ごたえを感じ(愛ちゃんが全部リードして予定通り登れたということだが)利尻山本番に自信となった。

 ほんちゃんの利尻山では、天候と雪の状態(去年は最悪だったようだ)だけが心配だったが、3日4日と天気に恵まれた。
 また唯一登攀要素のある「門」も愛ちゃんのリードで難なく通過できた。
 東北稜最大の難関かと思われた「窓」の懸垂下降も先行していた札幌山岳会のロープを使わせていただき、
すんなりと降りることができた。
 その後はさほど急でもない雪壁を登って予定よりかなり早く頂上に到着。

 残念ながら本峰リッジの登攀はできなかったものの、
メインの東北稜を完登でき非常に満足するGW例会でした。

 これもひとえにリーダーの愛ちゃんのやる気と行動力のたまものだと思います。


 今回は、ここ数年冬の登攀はやってない小野、一年目の栗山、この冬あまり登ってない中川と、
三人三様の不安があったものの、何回かの訓練山行でじょじょに利尻にたいしての自信を得ることができた。
 やはりプレ山行は非常に重要でした。
 GW例会山行は年度変りの関係もあり、
参加条件やプレの訓練案内など他の例会山行より早めに告知する必要があると思います。
(小野 睦)

 


・去年のリベンジの利尻。
 今年は登れてホントによかった。
 
 正直、この冬は、なんだか常にマイナス思考で、
神経質に慎重になり、全然楽しく登れてなかった。

 そんなわけで、少し遠のいていた雪山だが、
なんとかGWの利尻は「リベンジ&リハビリ」で行きたいなと、
ムツオさんを巻き込んで計画を進めた。
新人の栗さんも口説いて参加表明。

 しかし、肝心のリーダーが、にわか仕込みの実力で、
プレ山行のカミホロ3回とも全くの惨敗、結局どこもリード出来なかった。
 気持ちに不安が残り、定天のプレで、東尾根と中央クーロアールがリード出来なければ、
メンバーには悪いが今回、利尻はやめようと思っていた。
 でも、定天のプレは成功してしまった。
 予定のルートも登れてしまった。
 こうなったら、行かない言い訳が無くなった。
 それで、なんとなくふっ切れて、「よしやってやるか」という気になった。
 
 本番利尻もお天気に恵まれ、
それほどシリアスな状況もなく、
無難に終了出来てホッとしている。

 自分としては成功したとは言えないプレ山行だったが、
柏本くん、栗山さんと自分より会歴の浅いメンバーとの山行が大変為になった。
 同レベルのメンバーで山行は判断力を養う上では必須だと感じた。
また、明確な目標のある山行は成長できる絶好の機会だと思う。


 今回、ムツオさんもこのルートには、
複雑な思いがあるようなので今回登れて良かったのではないかな?
 栗さんは、とても要領よくなんでもこなして、新人さんとは思えない強力メンバーだった。
 ホントによく他の人の行動を見て、観察してるし、
教えなくても自分のものにしていて、感心した。
今後どんどんいろんな所に挑戦して欲しいなあと思う。

 最後に、「まみちゃん来年は一緒に利尻に行こうぜ」
 (中川)