2005年度のアイスクライミングを振り返って

小野武彦

 

1月15

雷電4ルンゼ L田中 小野 岩井


 今シーズン初のアイスクライミング。
 いきなり4ルンゼには行きたくなかったが2ルンゼが満杯のためしょうがなく向う。

駐車場から1時間ほどかけて取り付きまで歩く。
 雷電の氷の取り付きでは一番遠いかな。
 スキーを使ったほうが歩きやすいでしょう。
 4ルンゼは昨年ナルオさんに煽てられて、フリーで初めて登った氷。
 これで自信を付けナイル川に登ろうという気になったところ。

 

1ピッチ目、小野リードで取り付く。
 中間部が部分的に垂直ではあるが、氷は素直で登り易い。
 傾斜が緩くなったところで、岩に残置スリングがありビレイ。
 田中が登ってきて、次は岩井。
 途中までは来るが垂直部でギブアップ。
 我々も懸垂する。

 駐車場まで戻ってナイル、ビックウェーブを見に行く。
 行く前に駐車場で会った中央の殿平さんからは「ビックウェーブ繋がっているよ」と言われ、これはまずいなと思った。
 ビックウェーブは下まで見事に繋がっていた。
 昨年からの課題、これは相当のプレッシャーだった。

 


1月27


 雷電2ルンゼ L小野 岩井


 天気が悪く海側から時々激しい雪が吹き付けてくる。
 しばらく車の中で待機をしてから、1ピッチだけでも登ろうと取り付きに向う。

 1ピッチ目の途中激しいチリ雪崩に遭う。
 終了点は右岸の潅木。
 バックロープは岩井さん。
 何としても登って来てもらわないと困ると思いながら引き上げる。

 予定通り懸垂して終了。

1月29


 ヅラ海岸の滝 L中川 田中 小野

         岩井                  

高さが15m位のハングした崖に引っ掛かった氷柱と、その隣には5mほどの氷。
 海岸には丁度人間の頭が、髪の毛をチャプチャプさせながら浮き沈みしている様な岩が多数。 岩井命名、通称「ヅラ海岸」。

トップロープで練習、氷柱は結構おもしろい。
 でもやはりリードしたいところだ。
 隣にある5mの滝も、トップロープでいろいろなムーブを試して見るのもおもしろい。
 いいトレーニングになる。
 札幌から近くいい所であるが、石狩湾岸にあり暖かい為に氷っている期間が短いようである。

 





2月4〜5日


 層雲峡 L田中 小野 岩井 大原n 上田


4日 雲井の滝


風が強く気温が低い。
 銀河の滝でトレーニングをした後に雲井に行くことにして、駐車場に車を置き石狩川の渡渉を試みるが、雪で埋まっていなくて渡れず。

 旧道を歩いて雲井の向う。
 田中―上田、小野―岩井で取り付く。
 雲井の核心は1ピッチ目。
 田中Pは3ピッチ完登、小野
Pは最後の1ピッチは時間切れで登らず下降。
 田中Pが取り付きまで下降するのを確認して車に戻る。
 寒い一日であった。

駐車場にはテントが一張り、帯広労山のテントで、中では長水さんがジンギスカンを突きながら缶ビールを飲んでいたとか。


夜は旭川労山の事務所にお世話になる。
 キムチ鍋と刺身で宴会。
 
22時頃にナルオさんが事務所に到着したころ、就寝準備。


5日 NAKA パラグーフォール


 前夜の残り鍋にうどんを入れて朝食とし、6時には事務所を出発。
 銀河トンネルを過ぎて右側の駐車帯に車を止め、道路を横切りトンネル上を戻る。

NAKA滝に2ルート、トップロープをセットする。
 しばらく遊んだ後パラグーへ。
 石狩川右岸側は日が当たって暖かい。パラグーは
30mの氷柱で中間にテラスがあって休むことができる。
 以前にセカンドでフォローした時は、ツララ状の氷柱で苦労した記憶があるが、今回は素直でいい氷のように思えた。


 まず小野が取り付く。
 下部の
15mは順調、テラスでしばらく休み上部の氷へ取り付く。
 残り5mくらいのところでスクリューを埋めようとするが、リーシュが長過ぎてグリップから手が外れてしまいぶら下がることができなくなった。
 しょうがなく、そのまま終了点まで登る。でも氷の状態がよく落ちる気はしなかった。

 が、今時リーシュレスで登っている時に何と力が無いことか。
 自分の実力を思い知る。
 この経験(ランニングが取れなかったこと)が後のビックウェーブに引きずっていったような気がしている。
 その後、田中がトップロープで登りスクリューを回収。

 次は大原nがリード。余裕で登りもちろんランニングもしっかり取っていった。
 岩井、上田はトップロープで試みるが下部でリタイア。

 


2月8日


ヅラ海岸の滝 L岩井 小野

 ビックウェーブに備えて最後の調整をするためヅラ海岸に行く。
 しかし、
15mの氷柱は融けて細くなっていて、危なくて取り付くことはできない。
 隣の5mほどの氷で岩井さんの練習をする。
 何度目かで、アイスクライミングのコツを掴んだようで、ロープにぶら下がることもなく登っていけるようになった。

 

2月12

  
  雷電1ルンゼ L田中 中川 上田

  雷電ビックウェーブ L大原 小野

   (ビックウェーブ顛末記は大原n記)

 

 夏のフリークライミングと同様、アイスクライミングはおもしろい。
 氷をよく見てアックスを打ち込み、その次には打ち込んだアックスを支点に、バランスを取るために体重移動。
 氷の形状、硬さは一様ではない。
 安定して登るためにアックスの使い方、アイゼンのおき方、体重移動等フリーに通じるものがあると思う。
 ミックスもやってみたいが、フリーで
5.12とか5.13を登れないととても無理だろう。
 しかしアイスはそこまでできなくても充分楽しむことができる。

 

 今シーズンは例年に比べてアイスクライミングをやる人が少なかった。
 道具は借りてでもアイスを楽しむことができる。
 楽しさを実感できたら買えばいい。
 来シーズンは是非多くの会員がアイスに向うことを期待したい。


 ビックウェーブはビビって根性無しで終わってしまったが、素性のいい氷だけでなく悪い氷にも強くなって来年やり直したい。 来シーズン偵察に行って、氷ってなかったらホッとするのに、なんてことは全然思っていない、いない。