芦別岳夫婦岩 ミドルエイジ

2004年6月9日(水)〜10日(木)

L大原成雄  M大原圭子


 秋のヨセミテを前に私たちに何が一番足りないかを考えた時、根性と体力であることは、明白で、たまには山に行ってみようと思い、「γ左股奥壁から夫婦岩の継続なんていいですよ〜」と誰かさんにそそのかされてその気になった。しかし、かなりのボロ壁と聞き本番を前に怪我だけはしたくないと、パートナーにかたくなに拒否されたため、夫婦岩2本〜本峰西壁1本の継続で計画は決まった。夫婦岩となればリベンジ、ミドルエイジしか頭にないワタシ、今度はうまくいったかな?


9日 仕事が12時に終わる日を狙いそそくさと旧道登山口へと車を走らせる。天気予報は午後から雨だけど、まだ持ちそう。何とか夕暮れ前に夫婦の天場に到着。夫婦分岐手前はやち蕗と水芭蕉が満開でこれだけでも価値有り。夫婦沢は雪渓が残っていて歩きやすかった。
軽量化のためスーパーツエルトだが完璧に張れたので快適だ。これで結露しなければ最高なんだけれど。夜は満天の星、明日もしかしたらお天気いいのかも?ちょっと期待して新調したばかりのウエスタンのシュラフに潜りこむ、ん〜快適。

10日 濃霧の朝、だけどお天気を嘆いてもしょうがないからさっさと準備して、取り付きへと向かう。始めは当然ミドルエイジ。
1P目 スタートは洞穴スラブから7〜8mほど左らしいのだが、どうもはっきりしないルートだ。フレーク状の岩が張り付いたところから取り付いたがもう少し左が正解かもしれない。成雄リードで以後つるべ。「そのうちハーケンが見えるよ」などと無責任なアドバイスを送りながら、自分の目は2ピッチ目をさまよっている。大きなテラスを目指して登るのだが、そのテラスを左から這い上がるところが悪い。20m W+
2P目 テラスは見た目以上に大きい、このテラスを右にトラバースし一番高いところから壁を直上するが、テラスからの一歩は壁が被っていて、ランニングが取れず覚悟が必要だ(170cmくらいの人なら、ランニングが取れるので怖くないはず)。変な体勢で強引にのっこっす。クラックからスラブを行くと「山と谷」に載っていたが、終始フェイスクライムで本当にこれでいいのか疑いながら登っていく。あまり効いてなさそうでも、とりあえず残置があるので、残置に導かれながら登る。左側の草つきバンドに出て終了。ここのトラバースが以外に悪い。途中で残置ビナ発見、金ちゃんのかなと半信半疑ながら迷わず回収した。お天気は晴れてきたし、北尾根にあがる雪渓もつながっているのがわかり、「やったぜ!」と気合が入る。セカンドはサクサク登ってくる。20m 5.10b〜c(かな?)

3P目 2〜3mも登ればデルタの草つきの左端に出てしまう、そこを草付きに入らないように左よりに登る。ロープをいっぱい伸ばしてスリングの束が付いた木で終了。雲行きが怪しくなる。47m V  セカンドが終了点についた途端に、バラバラっと大粒の雨が落ちてきた。懸垂3回で取り付きに降りる。はじめに降りた私はいよいよドシャ降りの雨に耐え切れず、さっさとテントに逃げ込む。しっかり張られたスーパーツエルトだが、縫い目の防水をしていなかったので、ポールを固定する紐が導火線のようになってポタポタ雨漏りしてひどい、そういえば前にもこんなことあったなぁ・・・と考えているうちにロープを回収した成がずぶ濡れで戻ってきた。もうクライミングは無理だけどユーフレ小屋で乾かして、せめて本峰まで行こうかとも話したが、やっぱり根性がありません。大雨の中、頂上に背を向ける私たちだった。しかし、今回ミドルエイジをフリーで登ることが私の大きな目的だったから、山行途中での下山にもかかわらず、満足感のある山行になった。

6/9  札幌12:45-旧道登山口15:15-ユーフレ分岐16:20-夫婦岩天場18:25
6/10  ミドルエイジ取り付き7:30-3P終了9:45-10:45天場12:10-ユーフレ分岐13:05-旧道登山口14:20

記 大原圭子


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