ツアー例会

積丹山塊

(ポンネアンチシ山〜珊内岳)

PL比内 剛
千葉 芳弘
三佐川 雅秀
前田 敬

3月21日
<C0>6:30⇒6:45<当丸峠>⇒7:43<両古美山>7:52⇒8:58<832.6>9:10⇒11:20<798>11:45⇒13:25<ポンネアンチシ山>13:45⇒14:00<cont1000 C1>

前日夜に、当丸峠のトンネルをでたところにある駐車場にテントを張り泊まった。明方に除雪車がやってきて、その音で目がさめた。おかげで気分は最悪だ。
朝飯を食べてから、この駐車場からトンネルの上に上り歩き始める。程なく進むと当丸峠付近で、両古美山から伸びる尾根に出会った。
尾根に取り付いて少し上ると、あっという間に両古美山山頂に着いた。少し雲が出ているが天気は上々だ。前日に雪が降ったらしく、重たい雪が15cm程度積もっている。
両古美山山頂
山頂からは今日はじめての下りが待っていた。今日の装備は前田さんがテレマーク、その他の3人は登山靴に山スキーといういでたちだ。俺に関していえば、登山靴ですべるのは2シーズンぶりだ、ここのところテレマークばかりやっていたので不安がよぎる。案の定、下りでは転びに転んだ、他の3人においていかれ久しぶりにスキーで転ぶことの重労働を思い知った。
それにしても、このパーティーペースが速い。特に前田さんは、ほとんどずっとラッセルしているがペースが速い。しかも、テレマークでだ。テレマークでのラッセルはとても大変。それほど深くはないといっても、重いこの雪を考えるとすごい体力だ。
そうこうしている内に、いくつもの小さなアップダウンを繰り返し、気が付けばポンネアンチシが目の前に聳える、最後のコルまで来ていた。
ポンネアンチシに向かう
この頃には天気はすっかり良くなって、ポンネアンチシの頂上まで見渡すことができた。見ると頂上直下から西の稜線にかけては、大きな雪庇が見られて上るのは困難なようだった。そこで東のボール状になった沢筋を詰めて、東の肩に取り付くことにした。
重い雪の登りはきつく、立ち止まりつつ登った。時間もかかったが何とか東の稜線に取り付いた。稜線からも頂上直下には小さな雪庇が張り出していたので、スキーを担ぎよじ登ってやっと頂上についた。晴れていて、空気もクリアで絶景だったが、体力気力とも限界だった。


3月22日
<C1>7:10⇒9:05<940>9:20⇒11:20<珊内岳>11:25⇒13:00<940>13:20⇒14:10<大川林道>14:20⇒14:50<滝の沢林道出会い>

昨日は頂上から標高1000m付近まで滑り降りたところで、良い雪庇を見つけて雪洞をほって泊まった。雪洞に泊まるのは久しぶりだったので、ローソクだけで良い雰囲気に明るくなることに感動した。 夜になってトイレに行くと、星が驚くほどたくさん光っていてまたまた感動した。山中泊は荷物が重くて大変だけれど、山の夜は最高だななどと思いつつ眠った。
ここを登れば940mピーク
朝起きると、風が吹いていた。天気予報では全道的に晴れの予報だったので回復するだろうと思いつつ歩き始めた。今日も前田さんは元気だ。ずっとラッセルしてパーティーを引張っていく。昨日と同様あっと言う間に940mの広いピークにたどり着いた。帰りの下降地点を確認してから進む。
ここから少し進むと西に崖をもったピークを北に向かい折れていく。このあたりから視界は急に悪くなり、ペースも落ちた。稜線を進んでいくが風の強くなったときには、ほとんどホワイトアウト状態だった。いったいどれくらいの距離を歩いたのか、感覚を失いつつあった。1031mピーク付近はは西側が崖になっている。無意識のうちに東側により過ぎていたのだろうか?前田さんが消えた。突如としていなくなった。ついさっきまでその背中を目印に進んでいたのに、居なくなった。近づくと雪庇のしたでもがく前田さんが見えた。雪庇の下の斜面はそれほどの斜度でなかったので大事には至らなかった。 この視界のなさは怖いなーと思いながら再び進み始めたとき、今度は三佐川さんが消えた、そして千葉さんも消えた・・・
そうこうしながら、なんとか前に進み広い珊内岳ピークらしきところに着いた。しかしどうも地図と方向が合わないというのでピークの場所を探していると、前田さんがここはピークのひとつ前だという事を教えてくれた。この視界がきかない状態で正確に読図が出来ていると関心たが、後から聞くとGPSをつかっていたそうで、GPSの威力を思い知った。
そこから僅かで珊内岳についた。なにも無かった。
ここからは行きに通過してきた940mピークまで戻った。帰りもやはり行きに視界が悪くなり始めたあたりに近づくと、晴れ間が見えて視界は良好になった。ここから先は風の流れが違うようだ。
940mのピークから大川林道に向けて滑り降りる。途中、登ってきた渡辺パーティとであった。大原成さんはこちらのパーティと一緒に下山したいと冗談を言っていたが、後からあれは本気だったのではないかと言う話で笑った。
雪はざら目になっていて、思ったより快適に滑れた。下りはあっという間に終わった。標高が下がったおかげで気温は少し上がったように感じた。もう、冬は終わりなのだなと今シーズンを思い出しながら林道を歩いて帰った。

記 比内 剛


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