チロロ川P1857北西面直登沢〜二岐沢本流〜ポンチロロ川(下降)
2002年8月16〜17日
L金澤弘明 大原成雄 田中規雄 中間素子
8月16日
1967m峰から北北西1qの支稜上にP1857があり、
チロロ川本流に左岸から注ぐ最初の水線の沢が1857北西面直登沢である。
北電千呂露取水口より入渓し、30分ほど本流を詰め、右岸の古い作業道跡に乗る。
実はこの作業道跡は取水口の対岸から始まっており、
数回の渡渉をするだけでチロロ三股まで続いていることを下山時に知った。
直登沢は押し出しで多少荒れているが、出合いから小滝と小規模なナメが現れ期待させる渓相だ。
C1060m、12m滝は大原リードで水を被るV+。
ここを過ぎた辺りから滝が連続するようになるが、大きなものは無く快適だ。
早いペースで高度をかせぐ。
1540m二股を右に取り、C1750mを越えた辺りから藪こぎとなる。
右上気味に進みP1857からの西稜上に出る。
尾根を西に進んだP1753から二岐沢に下降の予定だったが、
稜線上のハイマツがうるさく、一本手前の沢を降りることにする。
二岐沢への合流点手前で懸垂をした以外には特に難しいところは無かった。
合流点は本流1240m地点で、
この付近はゴルジュ状の函地帯になっていて、悪場の中に降りてきたことになる。
ここから上流にはビバークサイトも期待できないことから下降することにする。
右岸を大きく高巻く。
1100m辺りからは河原状になるが、さらに下降を続け、
結局四ノ沢出合い近くのC1040mまで降り、河原を整地しテントサイトとする。
千呂露取水口06:00−C810m北西面直登沢出合い06:55−1200m二股09:00−P1857西稜11:20−C1240m二岐沢合流点13:30−C1・15:00
8月17日
昨日巻いて下った部分も函の中を行く。
C1260mは左岸より国境上P1910mからの沢が多段100m程の滝となり、
屈曲した狭いゴルジュ内にシャワーとなって注いでくる。
増水でもしたら絶望的な光景になるだろう。
C1350m付近には二段35m程の大きなナメ状滝がある。
やさしいが、浮石が多く気が抜けない。
C1420mで沢が大きく右に曲がると1967m峰頂上が望まれる。
この後も滝が連続するが少し岩質は悪くなる。
それでも高巻きありシャワーありと多彩で楽しい。
1550m二股を左にとり、なお幾つかの滝を越えると、
ハングした5m滝(水流はほとんど無い)に塞がれた水に濡れるスラブ壁に出る。
右から巻くと原頭となり、
草本帯を詰めると全くヤブ漕ぎ無しで正しく1967m峰頂上に出る完璧なフィニッシュを迎える。
実動4時間程と予想以上に早く抜けることができた。
今日中に取水口まで下ることにし、ピパイロ岳をピストンの後、
1967m峰への登り返しの途中から藪を漕いで直接ポンチロロ川に下る。
ポンチロロ川のカール底に入ると堀っ返しや糞が目立ち急に羆の気配が濃くなる。
ポンチロロ川は幾つか小さな滝はあるものの、ほぼ河原が続く単調な下りとなる。
そろそろ下山時刻が気になり出した頃、本流三股で中央労山Pに出合い、
ここから先の作業道跡の存在を教えてもらい、辺りが薄暗くなりかけた頃、
千呂露取水口に到着、長い一日が終わった。
C1発05:45−C1350m07:30−P1967・10:30−ピパイロ岳11:50−C1900m下降点13:00−924m二股16:50−チロロ三股17:20−千呂露取水口18:10
参考グレード P1857北西面直登沢 2級上、二股沢本流 3級下
ポンチロロ川 1級
(金澤弘明)