ゴーデンウィーク例会報告 原始が原周辺
L三佐川 渡辺 斉藤M 小田
2006.5.3〜5
3回目の原始が原である。
周りを山に囲まれたでっかい平坦な樹林帯の地形は
ところどころにぽっかりとグランド状の広場があり
上空からみると広大なゴルフ場を思わせる北海道らしいロケーションですな。
ここにテントを張って焼酎のお湯割りなんぞ舐めながら
「妻に不満があるわけではない、
子供も独立した、仕事もまずまず順調だ。
でもぽっかり空いた心の隙間に忍び込んでくる
この寂しさはいったい何なんだ。
これで良かったのかオレの人生」
暮れゆく山を眺めつつ自問する。
「これ以上何を望む、いいんだ、これでいいんだよ」
そっと呟き遠くを見つめる男の午後6時半。
〔ここで
♪ああ〜あああああ〜あ(語尾下げて)
ああ〜あああああ〜(語尾上げて)
んん〜んんんんん〜ん、んんん、んんんんん〜
のBGMが流れる。
やっぱり田中邦衛がハマリ役か。
なんせ富良野だからね〕
(これはフィクションです。
実在の人物とは一切関係ありません)
これぞ滅びゆく?
男の美学ぞ、そう思うのはオレだけか。
それにカバノアナタケも採れるしね。
今年は時間の余裕がなく探すことができず残念。
5/3(晴)
ポカポカ陽気のもと日焼止め(いまさら遅いわ!)を入念に塗って出発する。
夏の登山口のニングルの森までひと汗かかされる。
千春さんは正月例会、斉藤さんもツアー例会以来の久しぶりの山行。
ニングルの森からの急な登山道(林道)をじわじわ登る。
わずか2泊のテント山行なのになんでこんなにザックが重い(やっぱり食料かい)んだろう。
原始が原に荷物をデポ(去年は雪に穴を掘って埋めておいたのにキツネにやられたので、
今回は生肉などの食料はコッヘルに入れて木に吊り下げた)し、
日帰り装備で前富良野岳の南東斜面に取り付く。
下部の樹林帯を過ぎると、やがてまっさらな大斜面が現れた。
アヘアヘしながらひたすら登る。
頂上からの景色は絶景、
びっしり雪が貼りついている富良野岳の南面は滑り屋にとっては極楽でしょう。
ベタザラメのやや難しい雪質ながら前富良野岳の貸切大斜面をいただき満足。
再び重いザックを背負って本日のテン場の五反沼(原始が原の東はずれ)のBCへ。
夕食は小田さんのカルビ丼がウマッ!
9:45車デポ(秋雲橋700m手前)−10:38富良野岳登山口10:55−11:55三ノ沢12:10−12:35原始が原(ザックデポ)13:00−14:35前富良野岳14:55−15:30原始が原15:45−16:45五反沼(cont1060)BC
5/4(晴)
本日の行程は境山〜下ホロカメットク〜BCの日帰り縦走。
長い1日になりそうだ。
北東へトラバース気味に移動しシーソラプチ川の二股になった急な尾根へ乗る。
あとは右が崖状になっている長い尾根をひたすら登る。
風がやや強い。
三佐川が一足早く頂上へ着くが立っていられないほどの強風のため
地面に這いつくばって後続がくるのを待つ。
全員揃って痩せ尾根を進むが時々突風が襲う。
やがてさらに尾根が細くなりスキーが使えなくなったが
ザックへつけると風で煽られそうなのでスキーを両手に持って杖がわりにして動く。
右手は崖、左手も落ちたら止らない位の急斜面なので慎重に進む。
1800mのポコまでくればもう心配なし。
素晴らしい景色を堪能しながら、しばしマッタリとくつろぐ。
雪が融けてまだらになった斜面をつないで標高差500mの斜面を下ホロとのコルまで滑り込む。
スキーをデポして下ホロへの400mの急登をワシワシ登る。
気合で登ったおかげで目標の1時間かからず狭い頂上へ。
行動食を食いつくし、あとは走るようにして17分でスキーデポ着。
スキーをはいてひたすら西へ歩くこと3時間、やっとBCへ到着。
夕食は鶏肉を入れた山岳グルメのカレーが美味。
遅れがちだった千春さんの靴下をめくると足の裏の靴擦れがひどい。
天候が下り坂ということもあり明日は富良野岳をやめて下山することに決定。
6:40BC−10:20境山10:40−12:45下ホロとのコル13:05−14:00下ホロカメットク山14:28−14:45下ホロとのコル15:03−18:06BC
5/5(曇り一時雨)
朝からどんよりとした曇り空だったが出発してしばらくするとポツポツ降りだしてきた。
原始が原を抜けて三の沢を下ると登って来る小野Tパーティーと出会う。
林道の下りは部分的に斜度がきつく木の枝が邪魔をしたりしてちょっぴりスリルある滑りが楽しめる。
雨もいつの間にか止み明るい気分で山を後にいたしました。
8:00BC−10:15車デポ
パーティー総括
3日間という短期間の例会山行であったが
最終日を除いて天候にも恵まれ充実した山行であった。
今回も昨年に引き続き、
従来の重い荷物を背負って移動する縦走ではなく
原始が原にベースを設けて登山する方式で行った。
原始が原の周囲には今回登った前富良野岳、
境山、下ホロカメットク山をはじめ富良野岳、三峰山、上ホロカメットク山、
またトウヤウスベ山、大麓山、旭岳など積雪期にしか頂上を踏めない山もあり、
原始が原をベースにすれば新人からベテランまで
体力や技術に応じて多くのヴァリエーションに富んだ登山が可能だと思われる。
ベース方式の山行の利点としては1泊でも参加可能なため、
まとまった休みがとれない会員でも例会参加が可能
(今回は途中参加者はいなかったが)な点が上げられる。
またこの山域には広い斜面が豊富なためスキーを楽しむにも最適であった。
反省点としては初日の林道の距離が長かったためか渡辺と小田が靴擦れをおこし、
2日目の長い行程は靴擦れのひどかった渡辺にとっては苦痛だったようである。
長い距離を移動するスキーツアーの場合は靴擦れの防止策を考慮する必要性を感じた。
(三佐川 記)