十 勝 岳 連 峰 全 山 縦 走
2017.07.15
FS山行 : L 千葉a M 三佐川 長倉 渡部y 渡辺dz
雲一つない十勝岳連峰の空。
猛暑日を記録したこの日、強烈な日差しが体の内側まで入ってこうようとしてくる。
「俺はなぜこんなことを言い出したんだ、、、」
そのことばかり考えていた。
7月15日AM3:00凌雲閣駐車場に集合し、回送用に車を1台デポした。敗退にも備えて望岳台にも車を1台デポし美瑛富士登山口へ向かうと、すでに数台の先客が。山屋の朝は早い。
準備を済ませAM4:20美瑛富士避難小屋へ向けて出発した。樹林帯を快調に進みAM6:38避難小屋へ到着。ここからオプタテシケ山へのピストンが長い。
小休憩のあとオプタテへ向け出発。石垣山とベベツ岳を通過するとオプタテが近づいてきた。AM8:25オプタテ山頂へ到着。
ここから富良野岳に向けて全山縦走のスタート。AM8:50水分を多めに取り、美瑛富士避難小屋へ向け歩き出す。まずは来た道を戻り、美瑛富士を目指す。太陽が高くなるとともに気温も上がっていき、止まらない汗が目に沁みた。
美瑛富士分岐の手前の雪渓で給水がてらの小休止中に、「美瑛富士をどうする?」か話し合う。縦走路から外れていてピストンになる美瑛富士は、山のスケール感からいっても省略されることが多いらしい。我々も美瑛富士パスをあっさり即決した。いま考えればありえない弱さだが、この時はそれで良いと思った。
しかし美瑛富士分岐に到着した時、大切なことを思い出した。
「十勝岳連峰全山縦走じゃなかったか?」
仮に美瑛富士をパスして富良野岳に着いたとしても、それは単なる縦走で全山縦走ではない。そんなことも分からなくなるくらい、暑さにやられていたのか、、、
パスを聞かされて美瑛富士へのモチベーションをすっかり切っていたメンバーからのブーイングを一切無視し、AM11:23美瑛富士登頂。駆け足で下山し美瑛岳へ向かう。
ここから登り返す美瑛岳が自分には精神的に一番きつくて、みんなからかなり離されてしまった。やはり普段やってないことはできない。なぜこんなことをやると言い出したのか、後悔ばかりしていた。
PM12:30美瑛岳山頂。
次に控える十勝岳は遠く、そして高く聳え立っていた。自分はこのペースで行くと確実に日没をくらってしまう。走るしかない。登りでおくれを取りだした自分は下りを全て走ることにした。猛ダッシュで美瑛岳を駆け下り、一気に十勝岳に向かった。十勝岳は砂漠の様な景色が続き、疲れた心が荒んでしまいそうだ。
他のメンバーからかなり先行したところで振り返ると、DZも走って追ってきていた。
「なぜ追ってくるんだ、、、」
PM2:30十勝岳山頂。前方には見慣れた上ホロが姿を現し、ここまで来たらいける気がしてきた。十勝岳から上ホロ避難小屋までの長い下りを駆け下りると、そこからの急な登り返しに歯を食いしばりPM3:30上ホロカメットク山頂上に出た。この区間で猛烈に追い上げ、予定の遅れを取り戻した。みんな疲れていた。
しかしここから先はもっときつかった。
三峰山の3度の登り返しと急な下り坂に足が悲鳴をあげ、一向に近づいてこない富良野岳に苛立った。延々と続く下り坂に嫌気がさしたころ、富良野岳分岐に到着した。ここから最後の富良野岳へピストンだ。
雲がかかり肌寒くなってきた登山道を、体を引きずるように登った。
PM5:20富良野岳山頂。全山縦走達成の束の間の余韻に浸りつつ、急いで下山を開始。ここから凌雲閣駐車場まで2時間の下山が待っている。
上ホロ登山道へ続く道を下り、沢を超え、登り返し、AM3:00に集合した凌雲閣が遠くに見えた。
早く楽になりたいという思いが、いつもの帰り道を長く感じさせる。もうすぐ終わると分かっていても、GPSで現在地を確認せずにはいられなかった。
日没が迫る。山を嫌いになる直前、駐車場が見えた。
PM7:30長い1日が終わった。
コースタイム
4:20美瑛富士登山口>6:40美瑛富士避難小屋>8:30オプタテシケ山
>11:20美瑛富士>12:30美瑛岳>14:30十勝岳>15:30上ホロカメットク山>17:20富良野岳>19:30凌雲閣駐車場
オプタテを目指す
美瑛富士手前で歓喜の給水
十勝岳を目指す
歩きにくい道が続く
やっと最後の富良野岳
ゴールは遥か下に見える凌雲閣